イケメン王宮◆BL・悪魔のお仕置きと狂った果実【R18】
第20章 狂った果実~アランorユーリ編~
「好き」という言葉はなんだか
さっき言われた時よりもずっと
甘ったるくて、
くすぐったくて。
『なに……泣いてんの?』
気付かない内に
涙が零れていた。
「分かりません…
でも…なんだか
とっても嬉しくて」
『そう。
俺も嬉しい』
アランは
ぎゅっとユーリを抱きしめる。
『でも、あんま泣かないで。
お前に泣かれると
俺
どうしたらいいか
分かんなくなる』
アランは
ユーリの目尻に口づけて
そっと涙を拭った。
(アラン様…)
アランの逞しい腕に包まれて
ユーリの知らない幸福感が
胸を支配する。
(胸が締め付けられて………
おかしくなりそう)
計画を遂行するため
やらなければならない事が残っているけれど。
でも、今は……。
と
アランの
低く掠れた声音が降って来た。
『なあ……………いいか?』
「え……?」
アランの頬が染まる。
ユーリをじっと見詰めると
『………お前を…抱きたい』
アランは真剣な声音で言った。