第1章 手をとったときにはきっと決まっていたのでしょう。
「そんなこともあったね」
人の回想にも勝手に入ってきてしまえる魔王様もとい現在彼氏となった幸村君。
「後半は良いとして前半はどういうことなの?」
「ごめんなさい。」
「素直な香苗が好きだよ」
サラッと言ってしまえる幸村君。恥ずかしいからやめてくれ。
「帰ろうか」
そういうと、手を引いてくれる。久しぶりに切原君の様子を見に部活を訪ねた帰りだった。その手を握り、今ある幸せを実感する。
「好きだよ。香苗」
「私も好きです。精一君」
恥ずかしくて、なかなか名前を呼ぶことが出来なかった。少し驚いた顔をした精一君の顔をみることが出来たのはなぜか嬉しかった。二人で手を握って、笑いあうことが出来る今。魔王様の計画に落ちてみるのもいいものだ。