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プロポーズされてみませんか? 【短編集】

第6章 サプライズ 【緑間真太郎】


これでラッキーアイテムはオッケーなのだよ。俺はリビングに戻り、椅子に座る。それと同時に春乃が朝食を運んで来た。
「はい!お待たせ!」
「ありがとうなのだよ」
箸を持ち、皿の上に綺麗に乗っているオムレツを食べる。
「美味い」
「ホント!?よかった!」
春乃も椅子に座り、朝食を食べ始める。
「あ、今日も遅くなる。先に寝ていてくれ」
「わかった。最近多いね」
「すまない」
「ううん。気にしないで」
それから少し話をしながら朝食を食べ、今日は俺が先に家を出た。


「ねぇねぇ真ちゃん!!これなんかどう?春乃ちゃんに似合うと思うんだけど!」
高尾が指差したのは、小さなダイアモンドがリングについている物だ。
「ふむ。中々いいと思うのだよ」
今日は高尾と指輪選びに付き合ってもらっている。
俺はその指輪が右から何番目が数える。
「ちょうど12番目なのだよ」
「何が?」
「今日のラッキーナンバーは12だ。高尾が言った指輪は右から12番目だ。よし、それにしよう」
「決めるの早!!」
店員にこの指輪を包んでもらい、店を後にした。

店を出てからしばらくして春乃から電話がかかって来てその電話に出る。
「もしもし」
「…………」
「春乃?」
「……たい」
あまりに小さな声でうまく聞き取れなかった。
「痛い…………。真ちゃん、足、痛い……………」
「どうした!?何があった!?」
突然俺が大きな声を出したことに高尾が驚いているのがわかる。
「階段から落ちて、足動かないの……。どうしよう、痛いし、怖いよ……。真ちゃん、助けて…」
泣きながら訴える春乃の声に俺は動かされる。
「待ってろ、すぐ帰る」
電話を切り、後ろにいる高尾を見た。
「春乃が階段から落ちた」
「え!?」
「俺は今すぐ戻るから、それじゃあな、今日はありがとうなのだよ」
高尾にそう言い、駐車場まで走り、車で急いで帰る。
家に帰ると階段の下でうずくまっている春乃が居た。春乃に駆け寄り、足を見せてもらう。
「どこが痛い?」
「足首…」
「少し見るから痛いだろうが我慢してくれ」
足をなるべくそっと持ち上げ様子をみる。足首の関節が腫れ上がり、赤くなっている。
「骨折はしてないだろうが、重い捻挫だな」
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