第5章 好きな人
「遅かったねぇ
あははっ、そんなに押さえなくても見えないから大丈夫だよ
あぁ、でも君なら見られた方がいいのかな」
顔を赤らめ、スカートの裾を必死に押さえながらもじもじとやっと寝室から出てきた奈々を見るとクスクスと笑い出した
「そんなことないです…!」
否定する奈々に気にした様子もなく笑みを浮かべながら近付いて行くと奈々を抱きしめるように手を回し、すっとスカートの中に手を入れると奈々の尻を撫でた
「まあいいけど、こんな風に痴漢とかに遭わないよう気を付けるんだよ?」
「ひゃっ…や、やめてください」
「これだけで濡らしちゃう奈々ちゃんだからねぇ、心配だよ」
秘部にも手を這わせるとすでに僅かにだが濡れていることに気付き、からかうように笑いながら耳元で囁いた
「っ…か、帰ります!」
「おっと、じゃあまた明日おいで
今日はシズちゃんの相手で大変だろうから…」
「お兄ちゃんの…?」
奈々に突き飛ばされるように離されてしまうも大して気にした様子もなくそう言うと奈々の不思議そうな顔を他所に奈々の手にしっかりと付いているブレスレットに触れた
「あぁ、それと…このブレスレットは自分で外しちゃダメだからね?
まあ、君の力じゃ外れないと思うけど」
「…わかり、ました」
ブレスレットを見つめ奈々は少し複雑そうな顔をするも素直に頷いた
そしてまだスカートの裾を押さえながらもやっと帰れるとホッとした様子で玄関へと歩いて行った
「それじゃあ、失礼します…」
奈々はそう言い一晩過ごした臨也マンションから出て行く
すると扉が閉まる瞬間背後から聞こえた臨也の声にぴくりと反応しながらも足早に家へと向かい歩き出した
「奈々ちゃん明日、もし来なかったらお仕置きだからね」