第4章 オモチャ
「媚薬って…」
「変態な奈々ちゃんならもちろん知ってるよねぇ
結構強力なやつだから一口でも十分効いてくると思うよ」
「っ…か、帰ります!」
ニヤニヤと楽しそうに喋っている相手とは対照的に奈々はどんどんと青ざめていき、冷や汗をかきながら逃げようとカバンを手に持って立ち上がり、扉に向かおうとしたところで聞こえてきた相手の言葉に足を止めた
「あぁ…帰ってもいいけど、帰るなら君の喘ぎ声、シズちゃん聞かせちゃおうかなー?
それはそれで面白そうだし…」
「媚薬で我慢出来なくなった君がシズちゃんに軽蔑の視線を向けられながら、シズちゃんの前で一人で寂しく慰めるっていうのも面白そうだねぇ」
「や、やめてください!
何でもするから!お兄ちゃんには何も…!」
自分が兄を想い、一人で慰めていることなど知られてしまったら大好きな兄に嫌われてしまうと思い、兄にだけは絶対知られてはダメだと必死に臨也を見つめて懇願した
「なんでも、ねぇ
じゃあ、俺のオモチャになってよ」
相手の言葉に躊躇するも私に拒否権などはなくニヤニヤとそう聞く相手に私は俯きながら頷くしかなかった
「頷くだけじゃなくてちゃんと言葉で言ってくれないとねぇ」
「わかりましたよ…
私は…い、臨也さんの、オモチャになります…」
「いい子だね、ほらこっちにおいでよ
そろそろ媚薬が効いてくる頃だよ」
奈々の言葉をしっかりと録音すると事務所の隣にある寝室に向かい、あえて優しい笑みを浮かべながら奈々を手招きした