第21章 ジャグリング ※赤司視点
赤「つぼみじゃなくなったな・・・」
赤司はそう呟くと、部屋の中へいった。
本棚が置いてある部屋に出たのだ。
どうやら右側の部屋には本棚を動かさなきゃいけないみたいなのだが、うんともすんとも言わない本棚に赤司は一旦離れると左側の方に向かったのだった。
奥にあった本棚にあった『色彩の極意』という本の中に緑色の玉が現れたのだ。
触ろうとした瞬間に消えたのだが、あの台の上にもどったのであろうと納得すると、他になにもなかったため、部屋から出ることにしたのだった。
他に自分が今やれることはないかと散策すると、『ジャグリング』から声が聞こえて来た
『我 誕生 いつだ』
そう言われても、赤司でもそこまで覚えていなかった。
どうしようかと悩んでいると、あの少女の呟きが頭の中に聞こえて来た。
ふっと自分たちは本当に通じ合っているのではないかという考えまでにも入っていた
赤「『6223』」
『せ い か い だ』
そう言って足元に落ちて来たのは青色の絵の具玉。
触る前に消えたその玉に満足そうな笑みを浮かべていた。
その後周りを歩くことで、黄色の絵の具玉を発見し、涼太め・・・と溜息をつきながら見ていた。
そしてあの赤い何かで包まれた部屋の中へ侵入するのだが、何かが落ちているのに気が付き、痛みに耐えながらその正体をつかんで、そそくさと部屋から出て来た。
紫色の絵の具玉だった。
部屋を出るときに右側にカサが置いてあることに気がついた、もしかするとあのカサが必要なのかもしれない。
赤司は花瓶に自分の花びらを飾ると、もう一度部屋の中へ入り痛みに耐えながらカサを部屋から持ってきたのだった。
もう一度花瓶へ花を活けるために戻ってきたときにあの人形が動いていたのに気がついた
“ねぇ なにしてるの?
わたしも いっしょに あそびたい”
赤司はそれから目を離すと、このカサをどうするべきなのか悩んだ。
自分がいる場所には必要はないはずだ。
このカサを必要とするのはイヴたちのはずである。
しかし彼女に渡す方法はなかったのだ