第27章 遅れてきたヒーロー
赤「イヴっ!!」
メ「!!」
赤「なにやってんだ お前!」
メ「うるさいなぁ!
おとなしく あそこで
待ってれば 良かったのに・・・!」
赤「やはり お前が原因だったんだな・・・!」
メ「離してよっ・・・
・・・・きゃっ・・・!」
赤「っ!?」
メアリーが赤司からの手から逃げようとしたところ、足がもつれその場に倒れていた。
どうやらそのまま気を失ってしまったらしい。
赤「イヴ 大丈夫か?
・・・遅くなって―」
赤司の言葉を遮るようにイヴは泣きながら赤司へと抱きついていた。
ぎゅうと抱きつく彼女を見ていたのだが、自分からも抱きしめ返していた。
しかし彼女が濡れているのに気が付いたのだ
赤「イヴ! 濡れてるじゃないか!」
赤司は自分のジャージを脱ぐと、イヴに羽織らせ持っていたタオルで彼女の髪を拭いていた。
少し寒そうにする彼女を見て、赤司は申し訳なさそうにもう一度抱きしめ返した。
そのままその場にいたかったのだが、このままでは先に進むことはできないし、メアリーがいつ気がつくのかわからない。
赤「イヴも気づいているとは思うが・・・
こいつは人間ではない
ゲルテナの作品のひとつ・・・
あの 追いかけてくる絵の女とかと
同じような 物だと思う
うすうす気づいていたが 作品集を見て気が付いた
一緒にいると 危険だ
今も あと少し遅かったら
危なかった
急いで ここから離れるぞ」
赤司はイヴの手を取ると、自分が来た方向ではなく、イヴたちがいた部屋の方へと向かったのだ。
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