第1章 銀蛇鳥姫物語 第1話
(さっきのは何だったんだろう…)
頭痛なんて久々だったから病気かなぁと不安になっていた。
ふと空いた窓から空を眺めれば丸く大きなお月さまが顔を出していた。
『もう、夜か…』
小さい時に両親を失ったせいか、上手く自分の感情が出せず冷たい印象を与えてしまう姫雫。
そして、よくテレビや小説や見る「愛」に飢えていた。
愛が何なのかも知らない。
そんな少女は月に向かって手を合わせ、ポツリと願いを乞いてみた。
お月さま、お月さま…どうか私に…
『愛を教えて下さい…』
…
『……ふっ…なんてな』
ため息混じりで自嘲気味に笑った姫雫。
ズキッ―!!!
視界がぐにゃりと歪んだ。
先程の痛みとは比にならないくらいの激痛に襲われ、頭蓋骨を何かで叩かれている様にズキズキと痛みが広がり始めた。
(な、に…ッ?!…い、たぃ……ッ…)
姫雫は立っている事さえままならなくなり、近くにあったソファーに倒れこみ、深い眠りについた。
to be continued→