第9章 返して
月島蒼side
「………………でさぁ………………」
「……………………………それで……………………………なんだ!」
「…………………………ねぇ」
「ねぇ!!」
ハッとした。
目の前には、頬を膨らまして俺を見ている彩乃が居た。
「あ、わりぃ…。」
頭をかきながら謝った。
「最近ずっとそうだよね…。」
俺は目を逸らして
「わりぃ。」
もう一回言った。
何かに察したのか彩乃は、
「そういえば、哀川美月。その人と仲良かったよね?」
心臓がどくっと言った。
「ならさぁ、私も仲良くなりたーい。ねぇ、どうせ連絡先知ってるんでしょ?」
「家の電話番号しか知らねぇ。」
にやっと彩乃は笑い、
「へぇ〜珍しい。じゃあ、それ、教えて。」
「嫌だ。」
即答で答えた。
「ふぅん。エレナみたいな目に合わせてもいいの?今度は、大怪我じゃ済まないかもね?」
心臓が高鳴った。
嫌だ。エレナみたいな目には一生合わせたくねぇ!!
「分かった。」
それしか言えなかった。