第9章 返して
電話がなった。
あれ…いつの間にか寝てた…。
携帯に出ていた名前は『杉山 幸太朗』
杉山くんか………。
そう思ってしまった。心の中で期待してしまった。月島くんなんじゃないかって。
「もしもし…。」
杉山くんは、元気な声で
『もしもし?ごめん、こんな時間に電話をかけちゃって…。」
時間を見ると、9時だった。私的には平気だけど…。
「どうしたの?何か用事ですか?」
『んーん。特にない。ただ声聞きたかったって言うのもあるし、デートに誘おうと思って。』
優しい声が聞こえた。
でも…私は、こんな気持ちで杉山くんと付き合ってたら駄目だ!
ちゃんと杉山くんと別れなきゃ…
「じゃあ、今週の土曜日とかいかがですか?」
『うん。分かった。じゃあ、駅に10時。』
そう言って、少し雑談をし、お互い「おやすみ」と言い切った。
今週の土曜日に、別れを告げよう。
そう決心をした。