第4章 間違え
月島くんは、むっとした顔をしながら私に近づき、
「こう。この女は俺の物だから。」
そう言ってみんなの前でキスをした。
多分、『こう』というのはあだ名だと思う。幸太朗の『こう』最初の文字だけをとって呼んでるのだと思う。
「………っ!?な…!なにを…!」
私は、顔を染めながら言ったら、手首を掴まれ月島くんの方へ引き寄せられた。
そして、彼は私の耳元で、
「俺の女だってこと、自覚させてやんねーとな…」
と、甘い囁き。
身体中が痺れた。
クラスもざわざわしている。そりゃそうだ。あんなに、皆、『蒼好きだよー』と女子は囲み、『蒼お前、おもしれぇな!』と男子は囲む。
人気な月島くんが私なんかとキスしたら皆騒ぐのはあたりまえだよね。
でも、月島くんは気にせず私の手を引っ張り、屋上に連れていかれた。