第3章 もう一人の男
私は替えの眼鏡を付けて学校に行った。
早く、眼鏡を返してもらわないと…。
でも、関わりたくない。そう、強く思えば思うほど彼を見てしまう。
今日は、やたらと目が良く合う。相手も1回目を逸らすともう1回私を見る。
?なに…?何で心拍数が上がるの…?
今日、南くんが体育館に呼んだ。
後ろから眼鏡を取られた。
「…え…?何するんですか!返して…っ!」
私は、戸惑った。何故なら、またあの記憶を思い出すから。
「今日は、眼鏡を"自分で"探せ。」
と、意地悪い声が聞こえた。
「そんな…!できるはずないです!返してください…!」
必死に手を伸ばして言う。
「無理。体育館にあるから、じーっくり探せよな。」
そう言って、高々に笑って体育館から出た音がした。
………何で……もう………嫌だ………。
涙が出そうになった時に、扉が開いた音がした。