第14章 媚薬
「まったくもう…」
カエデは「当然でしょ」と言って腰に手を当てている。
(…私、いつの間にこんな恵まれた空間にいたんだろう…)
私はこんなにも恵まれた世界にいるのだと実感した。
「カエデ…ごめん、次からはちゃんと自分から言うよ」
「あたりまえだよ!もう!隠し事はなしだからね?!」
「うん!だからそんなに怒らないでよ」
私は笑顔でそう言った。
「…絶対だよ?」
「うん、絶対」
私は約束した。カエデには全部話す。昨日カルマくんに言ったことも。全部。
「市ノ瀬さん…」
渚くんが気まずそうに周りを指差した。
「え?」
周りを見るとみんなニヤニヤした顔で私を見ている。
「私、カルマくんとののちゃんお似合いだと思ってたんだ~!」
「私も!だって市ノ瀬さん、明らかにカルマくんに気があったもんね!」
「カルマ、ののちゃんはか弱いからちゃ~んと守ってあげろよ?」
「二人ともおめでとう」
みんな、話を聞いていたようで盛り上がっている。
「…えっ…ちょっ…」
「これで俺ら、公認のカップルってことだから学校でもイチャイチャして良いってことだよね?」
カルマくんはそういうと私に後ろから抱きついた。
「ちょっ、ちょっと!カルマくん!!///」
「あ、みんなの前でも名前で呼んでくれた。二人きりの時だけじゃなかったの?」
「あっ…いや、その…///」
「ヒュー、朝っぱらからラブラブですこと~☆」
いつの間にか中村さんや岡島くん達も来ていて、とにかく恥ずかしかった。
「カ、カエデ~…」
「あ、あはは…ごめん…」
なんとか殺せんせーにはバレなかったが、クラス全員に知れ渡ってしまった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
~理科室~
「「おぉ~…」」
「真っ赤だな…」
ビーカーの中が真っ赤に染まる。
「はい、お菓子から着色料を取りだす実験は…」
――シュバババ!
「これで終了、余ったお菓子は先生が回収しておきます」
そう言って私たちからお菓子を取ってどこかへ置いて帰ってきた。
「それ、俺たちが買ったやつだぞ!」
(こ、殺せんせー…汗)