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【暗殺教室】ドSカルマくんとの暗殺生活

第10章 「殺せんせーなら、認めてあげますよ」


「・・・」

殺せんせーは何も言えず、困惑している。

こんなつもりじゃなかった。

困らせるつもりなんかなかった。

ただ、先生としての殺せんせーに思いを伝えたかっただけだった。

でも、言い始めたら止まらなくなった。

言いたいこと、聞きたいこと。

全部吐き出してしまった。

(こんなの…言い訳だよね…)

「では、市ノ瀬さん」

私は顔を上げる。

「今から30秒、先生はこの場から動きません。なので、今なら先生を殺したい放題です。さぁどうします?」

「?!」

い、今なら…殺せる…?

私はナイフを出した。

「・・・」

手が震える。

「っ…いいの?殺せんせー…?」

「ええ、もちろんです」

手汗が出る。

プルプルと震える自分の手を押さえつけるように力を込める。

「っ!!」

とある姿が私の頭をよぎる。

黄色くて大きい丸い頭。

――『皆さんとの授業の方が楽しみですからね』――

「ぁ、…ぁ…」

私は自然と涙をこぼした。

「ゎ…わた、し……」

私はその場に崩れ落ちた。

「ぃゃ…」

「ほら、市ノ瀬さんはとても優しい人間だ」

「…ぅ…ぅゎぁあああああん!」

私は大声で泣き叫んだ。

殺せんせーは私の頭を優しく撫でてくれた。

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「っぐすっ…」

「もう泣かないでください」

殺せんせーはしばらく私の頭を撫でててくれた。

「っはい…」

「さぁそろそろ授業が始まりますよ」

そう言って殺せんせーは立ち上がり、校舎へ行くようにすすめた。

私は立ち上がり、殺せんせーに向かってお辞儀をした。

「殺せんせー、ありがとう!」

「いえいえ、こちらこそ。市ノ瀬さんのことがよく分かりました」

私はニコリと笑うとこう続けた。

「殺せんせー。私、殺せんせーなら、認めてあげます」

「…はい、ありがとうございます」

私はそれを聞いて校舎へと戻った。

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「認めてもらえましたよ…雪村あぐりさん…」

「さて…小テストの続きをしましょうか」
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