第3章 担任の先生は超生物
私たちE組は旧校舎に通わされ、差別を受けているということ以外にもう一つ特殊なことがあった。
――担任だ――
「――パァン!」
「中村さん!暗殺は勉強の妨げにならない時にと言ったはずです!」
「すみませぇん」
「罰として後ろで立って受講しなさい!」
何故か私たちの担任は月を7割蒸発させたタコ型超生物だった。
黄色い体に小さな丸い目、常にニヤリとしている大きな口、たくさんの触手、感情により肌の色が変わる変な能力、マッハ20の異常な速度。
しかも3月には地球も爆発させるつもりだそうだ。
そして私たち3-Eに政府からとある依頼が来た。
この超生物を「暗殺しろ」と。
みんなもちろん疑問を抱いた。
でもこの条件でみんなの疑問は消えた。
「成功報酬は100億円。」
「「はぁ?!」」
「当然の額だ。」
この言葉には私も驚いた。
だが、100億円が手に入れば人生薔薇色だ。
そうしてみんなこの依頼に関して文句を言わないようになった。
私は正直納得いかない。
何故このクラスの担任になろうと思ったのか?
何故月を爆破し、地球も爆破しようとしているのか?
そもそもこの先生は一体どういう生物のなのか?
疑問はたくさんある。
だが政府から、聞いた場合大量の金額を請求されると脅された。
これだから上下関係は嫌いなんだ。
理不尽だろう、そんなの。
「――瀬さん?市ノ瀬さん!」
「え、あっハイ」
「授業中はボーッとしない!」
「す、すみません…」
「ここは大事なところだからしっかりと聞いておいてくださいね」
「はぁい」
どうせ、私は『エンドのE組』。
成績が下がろうと関係ない。
親は仕事仕事で私のことなんて眼中にない。
別に構わない。
「はぁ…」
(赤羽くん…早くお礼言いたいな…なんかモヤモヤする…この感じ、嫌だなぁ…)
赤羽くんは成績はとっても優秀で頭の回転がすごく早い。でも渚くんから聞いた話によると暴力沙汰を起こしすぎてE組行きになったそうだ。
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