第6章 対策
~HR後~
「ののちゃーん、次授業始まっちゃうから早く移動しよー?」
「あ、うん。私殺せんせーに用事あるから先行ってて」
「この前のやつ?」
「うん」
「そっか、じゃあ先行ってるね」
カエデはそう言うと渚くんの元へと行った。
そして私は殺せんせーの元へと行った。
「殺せんせー、昨日言ってたの…」
「おや、もう分かりましたか?」
「はい。昨日本を読んでいたら気が付いて…」
「ほぉ、それはどのような本ですか?」
「恋愛小説です」
「なるほど、なら分かりやすかったでしょうね」
殺せんせーは納得がいったように頷いている。
「…殺せんせーもそう思っていましたか?」
「はい」
「私、少し怖いんです…恋愛なんてしたことないし本を読む限り辛いこと続きだろうし…」
「・・・。市ノ瀬さん。恋愛は人間の感情で最も複雑で最も単純な感情なのですよ。
少しのことで落ち込んだりしますが、逆に少しのことで元気になります。
確かに辛いことは多いです。ですが楽しいこともたくさんあるのです。
君はまだ若い。こんな青春ができるのは若いうちだけです。
ぜひ楽しんでください。」
殺せんせーは私の顔をじっと見て優しい口調で言った。
「…はい!」
私はそのセリフを聞き、嬉しさで少し目が潤んだ。
「ところで市ノ瀬さん」
「はい?」
「そのお相手とは?(ニヤニヤ」
殺せんせーは顔をピンクに染めて言った。
「…」
「いやぁ先生、生徒のことをよく知りたいと思いましt」
「――ブン!」
殺意に任せてナイフを振りかざした。
「ヌルフフフフ…殺意に任せた単純な攻撃など先生に当たるはずもないのですよ」
「っく…」
普通に悔しくて思わず声を出す。
「さぁ!授業が始まりますよ!早く移動しましょう!」
「うぬぬ…」
「ヌルフフフフ…殺せるといいですねぇ、卒業までに(ニヤァ」
そう言うと殺せんせーはマッハ20で外へと出て行った。
「っ…!…ふぅ、私も行くか…」
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