第3章 帰りたい場所と描く未来
『リンは特別なチカラをもっているんだ。。。だからリンは外へと目を向けてほしい。』
外、なんてあたしは考えたことはなかった。正直修学旅行で都会へいくことも怖いくらいだった。
まちが大好きで、無償の愛をくれるみんなに恩がえしをしたくて、まちに居たいというのに、兄の言葉はそれを打ち壊すものだ。
『嫌よ、外なんて!』
目頭があつくなる。。。
それと同時に突如山から降り降ろすような強風が吹いた。
『リン落ち着け!!』
兄があたしはをなだめてくるが、あたしの悲しみは収まらない。
…あたしはこのまちで生きていたいんだ。
みんなのもとで
あたしは本当はどこの誰かなんて知る必要はない。
世間の目なんてどうだっていい。
あたしは小嶺リンとしてこのまちで幸せに暮らしたいんだ。。。
…これが、あの世界のあたし。
祭に向けて頑張っていた夏の日。