第2章 新しい家族。
「きっとなにかの間違えなの!
おろして!ねぇ!トラファルガー!」
「なんだ、怒ってんのか?
それとも、なにかに焦ってるのか。」
私の口調でそう感じたのか。
いや全くもって間違ってないです。
そのとおりです。
見守るつもりだったよ。
でもこんなそばでってことじゃなくて!
ローからは見えないところでってことで!
「くそクマ…いつか…ブツブツブツ…」
「そんなに嫌か俺の船は。」
「いやょ…っ!!」
私が振り向くと、
ローは背を向けていた。
いつか見たような背中。
思わず手を伸ばしそうになる。
「…トラファルガーさん。
いいんですか、私なんかがここにいて。」
私が今さらこの″家族″に入る隙なんてどこにもない。
なにより、勇気がないの。
あなたのかけがえのないものに私は触れない。