第9章 COMPLEX！-巨の場合-(徳川カズヤ)

『悩み事があるなら聞く。』

『…うん…あのね…こんな事、言いにくいんだけど…』

カズヤになら言ってもいいかな…彼氏だしね。

『…む、胸が日々成長するの！』

『…どういうことだ。』

『…つまり、胸が大きい事が私の悩みです…って事！！』

『…それだけか？』

…そ、それだけって…私がどれだけ悩んでると思ってんの…
カズヤに相談した私が馬鹿だったよ…

ハァと深い溜め息を付いているとカズヤの口から予想外すぎる言葉が飛び出した。

『胸なんて大きい方がいいに決まってるだろう。』

…こ、こいつ…今サラッとすごい事言った…しかも真顔で…

『いや、でもね…まわりの視線とか気になるし…』

『気にするな。』

『太って見えるし…』

『気にするな。』

『肩凝るし…』

『気にするな。』

いやいやいや…それは気になるでしょう。
その後も気にするなの一点張りのカズヤだった…が

『どんな姿でもはなんだから、
見た目なんて気にするな。』

…やばい…超カッコイイ…
それは反則でしょうよ…カズヤくん…
しかもいつも通りのポーカーフェイスですからね…！！

『他の男に変な目で見られるのは癪だがな。』

そう言うとプイとそっぽを向くカズヤ。
あれ…何この可愛い生き物。

『カズヤ、ありがと。』

『………』

言葉は何も返ってこなかったけれど、耳まで真っ赤になっているカズヤはかなり可愛かった。


＊後日談＊

『カズヤ！！見て見て！！
今日はちゃんとサイズの合ったブラを付けてきたのー！！』

『………！！』

『ちょ！！カズヤ！！鼻血が！！』

高校生の彼にはまだ早すぎたようです。