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目の前の憂鬱

第3章 影の誘い


しゆうが編入してから数日がたったある日。候補生は初任務を各々終えた後の祓魔塾。メッフィーランドの入り口前の広場に集合という指示に首を傾げながら、しゆうは指定された広場の手頃な縁に座り込む。奥村兄弟と、他の生徒達はすでに集合していて居ないのはしゆう以外は神木と杜山だけだ。
「湖賀くん、湖賀くんは初任務なんでしたの?」
「俺?」
「せや、みんなバラバラの任務やったやん、何したんかなー思て」
三輪と志摩が話しかけてきたので、呆っとしていたしゆうは驚いてきょとんとした表情を浮かべた後、思案する。
「……悪魔除けの薬草取りに山に行かされた」
嘘では無い。なぜかメフィスト直々の命令だったが、一応候補生としての任務を与えられて、チューチの住む森に行かされたのだ。森に異変が無いか見回りついでに候補生らしく任務をこなせ、と悪魔除けの植物を数種類取ってきた。他の候補生と話題になっても差し支えの無い程度の任務。
「それにしても、女子たちおそない?」
そう志摩が言った時、ばたばたと杜山と神木がやってきた。杜山はいつもの着物ではなく、学園の女子制服を着ている。
「今日は沢山動くから、着物じゃ動きにくいだろうって理事長が…」
と杜山が説明したあと、雪男が今日の任務について説明する。任務内容は、遊園地にいる霊を発見、捕獲だ。
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