第6章 空虚感(刹那)
あたしは只今絶賛、空虚感に見舞われていた。
神になってからおきてきた、というか、神になってから増えたこの空虚感。
楽しいイメージが出来ない。
前向きな考えに至らない。
自分がどうしたいのかも分からない。
とりあえず、今は誰にも会いたくなかった。
でもそんな期待と裏腹に、やはり誰かと会ってしまう。
現に今も、刹那と遭遇してしまった。
だが、刹那は無口だ。
あたしから話しかけなければ、向こうは話しかけねーだろうと。
そう思って、刹那の横を通り抜けようとしたのに。
「どうした」
腕を掴まれ、捕まっちまった。