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第3章 戸惑い



彼は一瞬の間に私の左手を掴み、片足を私の足の間に割入れた。

身動きが取れず、まだ動かせる右手で二宮さんの肩をぐいっと押す。
でも、ビクリとも動かない…
翔ちゃんに比べて小柄なのに、男の人なんだと実感する。

途端に、すごく怖くなった。

どうしたらいいのか、どうしてこんなことになってるのか分からなくて、でもなんとか逃げないといけない。

「あ、あの…離してください…!」

負けちゃダメだと思いながら彼の目を見て訴える。
でも、彼はバカにしたようにクスっと笑った。

この人、絶対性格悪い。

「ほんとに、いい加減にしてください!
仕事も行かないといけないので!」

「……どうしよっかな、我慢できたらいいよ?」

何を?と、問う間もなく彼の唇により、私の唇は塞がれた。

「んっ…!」

嫌だと、首を振ろうとしてもいつの間にか彼の左手によって後頭部は固定されていて、、しつこく、何度もキスをされる。
息が出来ない、、酸素を求めて思わず口を開くとその隙間を彼の舌が侵入してきた。

器用に私の舌を絡めとり、ぴちゃぴちゃと卑猥な音が脳内に響く。

頭がくらくらする。

視界にはぼんやりと色を纏った二宮さんの顔。

酸素の足りない頭と、響く水音、、こんなキス知らない…。

彼は足でグリグリと刺激を与えてきて、思考がボヤけていく…
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