第4章 決着
私はゆっくりと目を開け、声の主を確認する。
「……っ!!」
「ーーーーー遅くなって申し訳ございませぬ。
この真田幸村、奏依殿を助けに参りました。」
驚いて声も出ない。
最愛の方が、傷だらけの姿で私を助けに来てくださった。
緊張の糸がプツンと切れ、安堵の涙が溢れてくる。
あんなに枯れ果てるまで涙を流したと思っていたのに、まだ流れてくるのか。
「幸村っ……!」
しがみつくように抱きしめ、確かめるように何度も名前を呼び、泣いた。
「奏依殿、帰りまするぞ。お館様が先に帰路に着き、待機してます故、急ぎ足で参りましょうぞ。」
「…っ、はいっ」
私達は、馬に跨り我が家へと戻って行く。
もう、一人で悲しむことはない。
これから先、辛いこともあるだろう。
だけど、私はもう一人じゃない。
この先の困難も、幸村と二人で乗り越えてみせる。
ーーENDーー