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暴君と花嫁

第3章 思案


…………静寂。

小鳥のさえずりや、風の音くらいしか聞こえて来ない。

何をするにもやる気すら起きない。

何もできない。

就寝時間まで、まだ随分とある。

それはそうか、まだ正午だ。


いつもなら、幸村が来て、遊んでくれたり、どこかへ連れて行ってくれたりしてくれる。


そうか、幸村が居たから…………


私の頬に一筋、いや、幾筋の涙が伝う。

「……っ、幸村…!ぁ…あぁ……!」

私は声をあげて泣いた。
人がいるとか居ないとか関係ない。

とにかく泣いた。


帰りたい……

みんながいるところに、大好きな人がいるところに…………



こんなところ、嫌だ……



しばらく私は泣き叫んだ。
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