• テキストサイズ

暴君と花嫁

第2章 決断


「お館様!今すぐ、今すぐに駆けつけなくては!」

「駄目だ。今すぐ動いたとしても兵数が足らん。それに、今動いたら相手の思う壺だ。もう少し様子見をする。」

「兵数のことなら、自分一人で参りますゆえ…」

「幸村!!…………一旦落ち着け。奏依のことが心配なのは皆同じじゃ。落ち着いて冷静に考えてみろ。焦ったら負けじゃ。」


………そうだ。自分ばかりが心配なわけではない。
連れ去られてから、焦ってばかりで我を忘れていた。

一度深呼吸をして落ち着きを取り戻す。


「申し訳ありませぬ。自分、我を忘れていました。」

「よい。取り乱すことは致し方あるまい。ワシだって同じだ。」


…っ!そうか、お館様の方が心配しているに決まっている。
自分がこうではお館様を守るどころか、奏依殿だって助けることすら出来ない。

自分がしっかりせねば……!


「…今は、お館様の言う通り、しばらく様子見を致しましょう。」

「あぁ。そうだな。」

「それと、自分に良い考えが御座います。」

「なんだ?言ってみろ。」


奏依殿に負担を掛けず、安易に助けられる方法。

けれど、それなりに危険性も高い。

一か八か、試してみなければわからない。

それでも、助けるためには、危険を冒してでもやらなければならない。


「それはーーーーーーーーーーーーーー」
/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp