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Dye D? 2

第35章 逃げる


大倉は、の匂いを追って
ある場所に来ていた。

それは、屋敷の屋上だった。

屋上に到着した大倉が目にしたのは、
女に追い詰められているの姿だった。

 
大倉「!!!!!!」


大倉の叫び声に二人が反応した。


「大倉さん.....」


青い顔をして大倉を見つめながら、
の足は、後ろに歩みを進めていた。


「恋人が来たようだね、
あんたの大切な人を先に殺して、
その子供をもらってもいいんだけどね」


いやらしい顔をしながら、に告げる


は何度も首を横に振ったが、
女はその様子を見て、ため息をつくと


「なら、無残な死を見せてやろう」


そう言うなり大倉に近寄り首を絞めた。
苦しむ大倉をに見せつけるように。


「や、止めて!!!!」


二人に近づこうとしたが、首を絞められている大倉がを止めた

大倉「、逃げろ、頼む...」


大倉の必死の声に、の顔は辛さで歪む。

しかし、は手を強く握りしめて


「...吸血鬼は誇り高き種族。
貴方の言うとおりになんかならない。
私もこの子も」

そう言うと、優しくお腹を撫で、屋上の端に立ったのだった。


「な、何をする…」


大倉の首を絞めている女の顔に
焦りの色が見えていた。


「この子がいなきゃ、
貴女は大倉さんには勝てない...」


その言葉に大倉が反応する


大倉「、ダメだ...!」


は、
大倉に悲しみと寂しさの交じったような笑顔を見せると伝えた


「愛してくれてありがと...。
結婚できなくってごめんね」


そう伝えると、は
屋上から躊躇なく飛び降りた。
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