第7章 訓練
そして、お互いの刀がカチカチと僅かに鳴っている。洸汰は、キーンッ!と柚姫の刀を弾き、一旦離れる。
その瞬間、柚姫が動く。今度は、逆に柚姫が洸汰に向かって距離を縮める。一瞬の隙を見せなら、命が終わる。隙を見せてはいけない。
また、キーンッ!と金属音が鳴り響く。洸汰は、柚姫の刀を抑えつける。カチカチとまた、僅かに鳴る。柚姫は、後ろに下がる。
そして、また洸汰は柚姫に襲い掛かる。左からと思えば、違ったのだ。下から斜めに斬り掛かる。しかし、それをいとも簡単に止める柚姫。
「っ………。」
受け止められた事、事態に驚き顔を歪める洸汰。そのままの勢いで柚姫は、洸汰の刀を上へと吹き飛ばす。キンッ!!と短い金属音が鳴り響き、洸汰の刀は、遠くの地面に突き刺さる。
柚姫は、自分の刀を洸汰の首もとに突き付ける。
「私の勝ちだよ、洸汰。」
「……参りました、姫様。」
柚姫は、クスと笑い自分の刀を鞘にしまう。洸汰も、僅かに笑ってはいたが、どこか悔しそうに顔を歪めていたのだ。
勿論、この様子を見ていた黒子達は茫然。よほど、2人の戦いぶりが凄かったのだ。
「すげぇ~…。」
「同じ、人間とは思えないのだよ…。」
高尾が思わず声出して、言葉を漏らす。あの緑間でさえ驚いていたのだ。
「なぁ、黄瀬。お前の【模倣(コピー)】でさっきのやつ、出来ねぇのか?」
「で、出来ないっスよ!青峰っち!」