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異世界の住民【黒子のバスケ】

第12章 約束


「夢ではなかったな…。」

氷室が、そんな事を言うと紫原も、そうだね~と呑気な声をあげても、いつも食べているお菓子には手をつけない。

「もう、会えないんスか?!二度と!?」

「うるせぇよ、黄瀬。皆同じ気持ちだ。別れ方が……納得いかねぇよ。」

笠松は、悔しそうに握り拳を作っていた。それを見た黄瀬は、黙るばかりだった。

「あのまま…皆、いなくなっちまったのか…?」

「火神君、それは…。」

「否定は出来ねぇだろ…?あの化け物を見て……。」

火神の言葉に反論出来ない黒子は、黙り込んでしまった。さつきは、頬に涙を流しながら弱々しく言った。

「約束……したのに………。あのまま、死んじゃってたら、私…嫌だよ……。会いたいよ……会いたい……。」

「桃井、それは此処にいるメンバー…全員、思っている事なのだよ。しかし……。」

「異世界……だからな……。」

高尾がそんな事を言う。高尾の言った通りだ。相手は、異世界の住民だ。どうやって会おうとしても、難しいのだ。

どうやって、彼らに会おうと考えても答えは出るわけがない。偶然にも違う世界に行ってしまった黒子達。

そこで、沢山の人に会いそして、思い出が詰まってしまった世界。だが、そんな世界には……もう行けない。

彼らの安否さえ確認できない。黒子達は、悔しい想いを背負っておくしかないのだ。彼らの為にも…………。










































─完─
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