第12章 約束
「次の場所へと移動しますッ!付いて来て下さい!!」
その時だった。パリンッ!!という大きな音が聞こえてきた。そう、結界が破れたのだ。光瑠は、舌打ちをしてから鞘から刀を抜く。
「今の音は…。」
「結界が破れた音だ。」
「マジで!?ヤバくねぇーか!?もしかして、俺達死ぬとか!?」
高尾がそんな事を言うと、光瑠は声を張り上げて言った。
「大丈夫だ、俺達はまだ生きてる!何よりも死なねぇよ!」
結界が破れたという事は、突然変異が襲いかかってくるという意味でもあった。ドカンッ!と大きな音が入ってくる。
街を見れば荒々しい姿へと変えていく。
「お前ら早く行けよ。時間稼ぎをする。賢次は俺と来い。ヤバくなったら、戻るからよ!」
「了解しました。それでは、皆様また後で。姫様は、例の場所へ。洸汰は、姫様のサポートをしなさい。」
「あ、あぁ……。」
「それでは、来て下さい。時間がありません!!」
黒子達の反論すら許さずに、淡々と話を進めて柚姫の後を付いて行く事になってしまった。逆に、光瑠と賢次は城を出ようとするのだった。
柚姫は、黒子達と共に走り出して城の地下へと向かう。要は、秘密の部屋というわけだ。
地下室に着いた所は、壁がコンクリートで出来ており床に大きな呪文陣が書かれている。柚姫は黒子達に指示を出す。
「早く!今すぐに呪文陣の上に乗って下さい。転送を行います!」
「転送、だって?」
氷室は同じ言葉を繰り返す。柚姫は、首を縦にコクリと頷く。