第3章 異世界
目の前にいる黄瀬や他の皆を見る柚姫。洸汰も同様に皆を見る。疑いの瞳をする洸汰に対して、柚姫は様子を見る。やがて、この重い空気を破るように、急に地面が大きく揺れ始める。
「今度は、なんだよッ!?」
火神は、厳しい表情を浮かべて、地震ですか?と黒子は冷静に考え答える。しかし、これは地震ではないとすぐに悟る。
それは何故かというと…地震の一部がバキバキと割れ始める。そして、バギッ!と一度音を立て、バギーンッ!と大きな音へと変わっていった。柚姫や洸汰、そして部下は警戒態勢へと変える。
その正体とは……。茶色いが長く太い、そして大きな口から見える鋭い無数の歯。目が一切ない。柚姫達はそれぞれ、鞘から刀を取り出す。だが、大きさが半端ではない。軽く10mあってもおかしくはない。無駄に大きいのだ。
「あのさ~。この生き物……どっかで見たことあるんだけど~??」
「確かに敦の言ったとおり、俺も見たことあるような…。」
紫原は、ふと思ったのかそんな事を言い始めると、氷室も同意する。突然変異は、ギャォォーッ!!と高い声で叫び声をあげる。思っていた以上に、声は大きかった為、咄嗟に皆は耳を塞ぐ。
「ん?あれじゃね?ミミズじゃねぇーの?」
「ミミズーーー!?!?」
青峰は、無表情のままそんな風に呟くように言うと黄瀬は声を張り上げた。そう、この生き物は、ミミズの突然変異だ。何故か、あの小さく細い生き物が大きく凶暴へと変化した。
「なんで、ミミズが大きくなったんスか!?俺、ミミズ嫌いなのにー!!」
黄瀬は、鳥肌を立たせながらそんな事を言っていた。