第4章 voice 花京院
「そ、その…植嶋さんの隠し事って」
「人には言えないことなの、ましてや学校では…ちょっと」
やはりか、なんだか申し訳ない気持ちになる。勝手ではあるが僕は今植嶋さんのあの声に欲情したも同然だ。だが彼女はアレを出したことに後悔しているのかもしれない。
OPはともかくストーリーだ。
「苦しいのは分かるから…我慢しないで」
思わず目をそらした。僕はこのセリフを知っている。あのゲームで、言っていた。
無意識なのだろうか?それとも僕があのゲームを知っているかどうかカマをかけたのだろうか?ならば僕はそのワナにハマってしまった。
「花京院君、もうすぐ保健室だから」
特に無反応だった。意識していなかったという事か。よかった…
「風邪とかだったらちゃんと病院いって薬もらわなきゃだめだからね」
「すまない、迷惑をかけて…」
「迷惑だなんて思わないよ」
そういって植嶋さんは保健室まで案内してくれたら教室に戻って行った。な、なんだかこの時間がとても長く感じた。驚くほど背中に汗をかいていた。
保健室で熱を測ってみればなんと38℃を越していたので大人しく早退することにした。
それにしても植嶋さんは僕があのゲームについて知っているのかどうか…それをしっているのだろうか。もし知ってしまったら僕の事を軽蔑するだろうか?きっとそういうゲームなのだから…と覚悟は彼女なりにできているのだろうから、軽蔑なんてことはないだろうが、少なからず話すことを止めるだろう。
明日登校してきて挨拶をしてくれなかったらそういうことだと理解することにしよう。
あぁ、あんまり考えていたら頭が痛くなってきた。
帰宅している最中、植嶋さんの悲しそうな顔が頭から離れなかった。伏せたまつ毛、少し赤くなった頬、縮こまった背中、僕よりも低い身長。意識せずにはいられなかった。
僕は思った、これは恋というものではないのかと。