第1章 無垢
「……」
森の中だろうか…、
ふと目が覚めれば目の前には
木々で覆われていた。
ふと思い直す。
私はここでなにをしていたのだろう。
そして気づく、
「きおくが…あれ?」
昨日、いや、いまさっきまでの記憶が思い出せない。
待て、名前、名前!
「名前は…」
手を擦りながら考えこむ。
すると手首になにか付いているのがわかった。
タグだった。
「皇」
英語でそうかいていた。
「これ、私の名前?
でも、なんでこんなのつけてるんだろう。」
しかも着ているもの、
白いワンピース。
下手すれば地面につくんではなかろうか。
『ここにいたらダメでしょー』
ズキンッ
「な、なに…いまの声。」
すぐそばで聞こえた。
いや、頭の中。