第4章 すぐそこにそれはあった。
金木side〜
「大丈夫か」
四方さんとトーカちゃんのところへ向かえば
ヒナミちゃんと
“箱“を持ってどこか遠くを見ている彼女がいた
「だれかくる」
ぼそっと彼女はつぶやいた
四方さんもその言葉にうなずき
帰るように指示を出した
「はい」
彼女は四方さんを少し見て
箱に目を移す
「私が…使ってあげないと
ふふ」
確かにそう聞こえた
僕だけに
「お姉ちゃん……?」
「ん?」
ヒナミちゃんの声に彼女は
今とは違う雰囲気に戻った
「あの、、あり、がとう」
「…これ、私が預かっていいかな?」
これ、とは箱のことだ
四方さんに背負われるヒナミを見上げて
彼女は言った
「え……」