第8章 別れから再会
みんなは猫に注目していた。
猫は錦戸になついており、ずっと足に自分の身体を擦り付ける。
横山「亮になついてるな....」
不思議そうに見つめる、横山。
錦戸「俺、コイツ知ってるかも...」
何か昔の記憶が錦戸の中に戻って来そうだった。
微かな思いが思い出を引き出していた。
錦戸は必死に周りを見渡した。
暗くて良くは見えないけど、ここも見覚えがある
俺は、ここで誰かと....
誰と?
誰だったんだろ?
錦戸は必死で頭を抑えて考えていた。
それを、みんなは見つめていた。
渋田「亮、どなんしたんや?」
錦戸「すばるくん、俺、ここに来たことがあるわ」
錦戸の中のパズルが今一つはまって行くようだ。
村上「亮、どういう事やねん」
驚きながら、村上は聞く。
錦戸は突然に走り出した。
みんなは慌ててついていく!
錦戸は、一つの扉を開けた。
錦戸「....俺は、ここで猫とある人に甘えてた、ずっと...」
横山「ある人?」
錦戸はその問に答える事なく、また走り出した。
そして、また別の扉を開けた。
錦戸「ここで、あの人からもらったクッキーを皆で食べた」
錦戸は次から次と部屋を渡りって行く。
みんなは、黙って着いて行く。
そして、暖炉のある一番大きい部屋を錦戸は開けた。
そこには、最後のパズルの欠片があった。
奥に一人の男が静かに立っていた。
その男を見た時に、錦戸の口が勝手に動いた。
錦戸「.......お兄ちゃん...」