• テキストサイズ

青春のノスタルジー

第9章 励まし


私はお風呂に入っていた。

もちろん、彼が眠ってたから安心して、です。


失恋したのに、彼のおかげで深く落ち込む事はなかった....

それより、彼氏の事すら思い出す暇もなかった....


一人になると、私の目から涙が溢れてきた。

おとなしい私が好きだと言った彼が、
おとなし過ぎて、楽しくなかったと言った...

胸が痛かった...
辛かった...

泣くだけないて、私はお風呂から出た。

すると入り口に彼が立っていた。

「し、渋谷さん?」

一応、パジャマを着ていたものの、
私は焦っていた。

渋谷「何で黙って風呂に入っとんねん!」

「渋谷さん、寝てたから...」

私は、何を怒ってるんだろうと思いながら答えた。

渋谷「起きたら、俺一人になっとったやんけ!」


はい?えっ、もしかして淋しかったの?


「....起こしたらダメかと思って、ごめんなさい..」

その途端に、鼻に強烈な痛みがおこる。

渋谷「はい、また謝った!」

笑いながら、鼻を摘まむ彼。

「し、渋谷さん?」

彼の容赦ない攻撃に、私は驚いていた。

渋谷「目、赤いで....泣いてたんか?」

彼は、鼻から手を離した。

「いえ、目に塵がはいってしまったんです」

私は恥ずかしくなり、嘘をつくと

突然、彼は私を抱きしめた。

「し、渋谷さん?」

頭の中がパニックになる

渋谷「今だけ、思いっきり泣けや...」

その言葉に、胸が熱くなった。

「あ、ありが...とう...」

涙が溢れてきた。

渋谷「しかし....ほんまにペチャパイやなぁ..」


おい!この男は私を慰めたいのか!
それとも落としたいのか!


「ペチャパイで、悪かったですね!」

怒る私に、彼は少しだけ悪そうな顔をしながら笑い

渋谷「そんだけ、怒る元気があるなら大丈夫やな..」

そう言うと軽く頭を撫で、
テレビの前に腰を下ろした。


これって.....
彼なりの励ましなの?


渋谷さん、これは本当にズルいです。


私のハートは危ないんですよ
分かってますか?




私は彼の背中を見ながら、
胸が熱くなるのを抑えていた。
/ 26ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp