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青春のノスタルジー

第8章 不器用な男


「渋谷さん!あのここに居ていただくのは、かまわないんですが...」

私は意を決意して、彼に言う事にした。

彼は濡れた髪を拭きながら、私を見た。

渋谷「なん?」

「ルールを決めませんか?一緒に暮らす...」

彼は静かに私の顔を見つめた。
かなりの沈黙が流れた。

渋谷「いやや!」

彼はキッパリと私に言った。
その言葉に驚いてる私に彼は、更に強い口調で言った。

渋谷「俺は縛られるんが嫌で、逃げだしたのに、ここでも縛られるなんて、絶対にお断りや!」

唖然としてる私を無視して、彼はまたテレビを付けて横になった。



あの、これって何?

彼を怒らしたのかなぁ?

ってか、私が悪いの?



ため息しか出ない私....



キッチンのテーブルに一人座りながら、転がってる彼の背中を眺めてた。



この人の彼女って、大変だろなぁ....
扱い方が、全く分かんない...
何を考えてるのかも、でも時々 すごかったり...


考えてると、見ている彼の背中が少し揺れていた。

あれ?もしかして....

そっと彼を覗きに行くと、彼は眠っていた。



私は子供のような可愛い寝顔の彼に、胸がときめいていた。



本当に綺麗な顔だよなぁ....
そりゃ、アイドルになるはずだよ...



私は、ドキドキしながら、彼にそっと毛布をかけた。

その時に見てしまった。
彼の閉じてる目の端が濡れているのを...



やっぱり、彼は泣いてるのかも...
心では、ずっと泣いてるのかも...
でも、無理して明るくしてたのかも...



私はこの不器用な男の心を少しだけ、見てしまったのかも知れません。
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