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青春のノスタルジー

第15章 あれは?


渋谷さんは、嬉しそうに
たこ焼きをクルクル回しながら、作っていた。

私は、そんな彼をじっと見ていた。

さっきの事が頭から離れないからだ。



渋谷さん、さっきのは....

違いますよね、私の思い過ごしですよね...

でも、確かに唇に触れた気が....

いつもの意地悪で、そんな事するんですか?

渋谷さんは、私の事を....




渋谷「ほい、焼けたで!」

彼は焼けた、たこ焼きを爪楊枝に刺して私の目の前に持ってきた。


そのたこ焼きが...私の胸を余計に痛くしていた。


「....ありがとうございます」

私は、頭を下げて受け取った。

渋谷「元気ないやんけ、どなんしたん?」

彼の言葉にも、笑顔で首を振った。

その瞬間、彼の顔つきが変わった。


渋谷「なんや、さっきの怒っとる?
そりゃ、彼氏を忘れられてへんねんから、、怒るわな...」



えっ、渋谷さん?



渋谷「まぁ、男を連れ込んで、何もされんかったらお前も寂しやろ?ペチャパイでも」




ちょ、何を言ってるですか?

渋谷さん、意味が分からないんですが...

あと、悪口は控えて欲しい...




渋谷「まぁ、軽いキスぐらいで そんな怒るなよ、
減るわけちゃうし....」




えっ、渋谷さん今、なんて?

あれは、やっぱり....

減らないけど、心にかなりのモノが増えたんですけど、渋谷さん!!!!




「あのぉ、渋谷さん!」


渋谷「おん?」


綺麗な顔で見つめられる


「...すいません、何もないです」



あっ、また謝ってしまった、やっちゃったよぉ....

これ、もしかしてまた、



えっ?




私はたこ焼きを口にほうり込まれた。

「あっ、熱い!熱い!」

慌てる私に、彼は爆笑しながら、

渋谷「そう簡単に、二度目はあるかい」


私は口を火傷してしまった。

少し涙目になったが、それは火傷だけじゃなかった。





渋谷さん、

私はとっくに彼の事は忘れてるんですけど、

でも、この恋は、確実に泣く恋なのに、

止められないんですけど...

だから、もう、優しくしないで下さい...

渋谷さん...
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