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Dye D?

第30章 それぞれの答え


みんなは黙って考え込んでいた。
それぞれの結論をだすために...


村上が、みんなを見ながら口を開いた。

村上「横、悪い、俺には決められへんわ...」

村上はそう告げた。

村上「俺にとって、大倉は大切な仲間やし
家族なんや、それは、マルもやで、
誰かが傷付く選択は俺には出来んよ」

村上はそう言うと、一人で部屋から出て行った。

安田「村上くんの言う通りや、俺も選択出来へん、
俺はみんな一緒にいられたらそれでええわ」

安田はそう言うと、村上の後を追って部屋を出た。

錦戸「まぁ、俺はマルの過去も
もうどうでもええわ、
お腹がふくれる生活にさせてくれたらな、
渇きはほんまに勘弁やで...」

そう吐き捨てながら、丸山の肩を叩き、部屋を出た。

丸山「......何でなん、みんな何でそんな風に言ってくれるん?」

涙を止められない丸山は、必死で涙を拭いた。

渋谷「俺はお前には、もうちゃんと結論出てる気がするねんけどな.....」

大倉と私を見ながら渋谷は横山に言った。

横山「.......救いの道はあるのか、」

横山は静かに言った。

大倉「.....俺は、みんなを敵に回しても
今度は必ず彼女を守る」

大倉は強く告げると、私の手をしっかりと握った。

私の膝の上に箱があり、その中にあのロザリオが入っている。
このロザリオで彼らから逃げられる....
それはつまり、この大倉と二度と会う事は出来ないということだ...。

私の頭には、一つの答が生まれていた。

「みなさんは、人間なりたいんですか?
それとも、このままで?」

私は震える声で言った。

渋谷「まぁ、人間に戻っても何年生きれるんやろな?
俺はこのままでもええな、お前らがおるから」

渋谷は横山、丸山、大倉を見ながら答えた。

丸山「お、俺は.....」

泣いている丸山は、声を出せないようだった。

丸山「一人になりたくない..」

必死に絞り出されたその言葉に、横山は目を伏せた。

横山「我々は吸血鬼だ、人間ではない...」

その横山の言葉からは、
今まで幾多の困難を乗り越えてきた事への誇りが見えた。

その言葉に私は決心した。

「分かりました...」

私はゆっくり立ち上がると暖炉に歩み寄り、
横山から受け取ったロザリオを箱ごと火の中に放り込んだ。

「これが、私の答えです」
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