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Dye D?

第27章 過去の二人


意識のなくなった私は、夢を見ていた。

誰の記憶なのか、私は誰かの記憶を夢の中で見てた。

ここのホテルの前で、男と女が二人で立っていた。
少し離れた場所で、他の5人が立って話してた。

「忠義、あそこには行かないでよ、
危ないって噂が流れてるから...貴方もそれ、
知ってるでしょう?」

私は、えっ、あの女性は私?
姿は違うけど私なんだ。
私は、必死で目の前の男の人を止めていた。

大倉「相変わらず、心配性だな、みんなも一緒だから大丈夫。男には引けない事もあるんだよ」

あっ、あの大倉さんだ。
とても、優しそうな顔をしてる、もしかして人間の時の?

「本当に知らないから、」

私は何かに心配してるんだ、すごく、すごく。
嫌な予感がしてるんだ。だから止めてるんだ。

大倉「あっ、これプレゼント」

大倉さんがポケットから何かを出した。

「ありがとう、これはロザリオ...」

私の手のひらに、あのロザリオがのった。

大倉「牧師の父を持ってる君には相応しいだろ」

そう大倉は言うと、私に優しく口づけした。

「気を付けてね....」

私は微笑みながら、大倉に告げた。

大倉「おう、いってきます」

そして、大倉はみんなの所に走って行った。
そして、みんなで屋敷の中に入って行くのを見送った私。

でも、後悔しかなかった。
崩れた屋敷から7人の遺体が見つかったから。

宣教師だった父が、
この土地を離れると決めた時、独りここに残った。
彼を愛してたから、一人静かに彼を思いながら
神の元で生きていくと決めたから、
ここの教会で一人で生きていた。

その時に村に変な噂が流れた。

村に死人が走り回っていると。
血を盗まれると...。
死人はあの屋敷からやって来ると...。
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