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Dye D?

第16章 レトルト


丸山「でも、これって、
俺らも考えて行かなあかんって事かなぁ....」

丸山が輸血を一つ取りながら呟いた。

村上「何をや?」

不思議そうに村上が聞く。

丸山「人を犠牲にせんと生きてく方法を...」

丸山は、辛そうに言った。
みんなの顔つきが変わり、それぞれが考え始めた。
横山はゆっくりと、輸血パックを手にした。

横山「答えを出すには、まだ早いんちゃうんか....」

みんなを諭すように横山が静かな顔で伝えた。

横山「昨日も言ったように、あの女とは一ヶ月過ごす。
みんなには、それから選択してもらう」

そう言うと渋谷の横に座った。

錦戸「一ヶ月間で考えろって事やろ?これからの俺たちを...」

錦戸が冷たく笑いながら答えた。

安田「それは、一緒にいて感じる事次第で、
答えがでるんやな」

安田の言葉にみんなが注目した。

村上「時々、まともな事を言うな、ヤスは....」

笑いながら感心する村上に、横で静かに渋谷は考えこんでいた。

横山「さっきから、えらく考え込んでるな....」

渋谷の様子を見ながら横山が話し掛けた。

渋谷「あのアザが気になってな...」

横山「....なるほど」

静かに横山は俯いた。

横山「実はちゃんと調べてみたが、
神の使いにロザリオのアザがあると言う文献はなかったよ....」

渋谷に目をやりながら横山は答えた。

渋谷「いや、俺、昔 どこかであのアザを見た気がするねん、
でも頭に霧がかかってて思い出されへんねんなぁ...俺も年やな...」

苦笑いしながら渋谷は言った。

横山「半世紀も生きてたら記憶は消していかな、おかしくなるしな....」

横山は慰めるように答えた。

渋谷「....あのアザはどこで見たんやろ?
そして、何か大事な事を忘れてる気がすんねんなぁ...」
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