第15章 獲物監禁室
安田は大倉の言葉に
安田「了解やで」
そう言うと、機嫌良く部屋を出ていった。
大倉「貴女が順応性のある方でよかった、」
大倉は私に静かなトーンで話してくれた。
大倉「...僕たちは、いつから忌み嫌われる生き物になったんだろう、
それでも生きているとね、
こうして、解ってくれる人間にも出逢えるから、悪くないなって思えるよ..」
初めて自然に笑う大倉を見て、
私の胸は熱くなっていた。
「他の人もそうなら、怖くないのになぁ...」
私は小声で呟いた。
このひとには、最初から恐怖を感じていなかった。
でも他の人にはまだ、どこか怖さがあるのだ。
大倉には、特別の感情があるからなのか...
どこか昔に感じた事のある、落ち着いた彼の雰囲気が、こんな状況に置かれている私の心を癒してくれた。
「私の話を聞いて貰えますか?」
私は少しでも、彼に近づきたい気持ちと、
同じ時間を過ごしたいという我儘で、
自分の話をする事にした。
大倉は私の言葉を聞くと姿勢を正して、
私をまっすぐに見つめた。
その姿は、
礼儀正しい古風な男性を彷彿させた。