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Dye D?

第8章 吸血鬼


獲物とみていた女の正体に、
みんなは立ちすくんでいた。

大倉「我々の敗けか、、」

大倉は静かに目を閉じ、
現実を受け入れようとしていた。


横山「……」

横山は一人考え込んでいた。

「あ、貴方たちは、、な、なに?」

私は震えながら、
パニックになる気持ちを抑えて、彼らに尋ねた。

すると、静かに横山が私の前に歩みより、
目線を合わせるように腰をかがめて話し始めた。

横山「我々は、貴女も聞いたことはあると思うが..、
神に背いた生き物の、吸血鬼だ。」

横山は、私の頬を優しく撫でながら話した。
その手は氷のように冷たかったが、
私の心はなぜが落ち着いてきていた。

「き、吸血鬼?」

錦戸「そっ、血を食す生きもんや…」

苦しみから立ち直った、錦戸が悔しそうに答えた。

「貴方たちは、
人の血をここで吸って生きてるって事なの…?」

彼らの言葉に、頭はパニックで、
今にもおかしくなりそうだった。

横山「そう、何十年も前からな..。
ホテルに来た客をエサにしていた..」

横山は寂しそうに呟いた。

丸山「でも、こういう風に、毎日死と隣り合わせ、
永遠とは言うものの、、儚い闇の生き物...」

丸山も、寂しそうに言葉を続けた。

錦戸「俺らが負ける事はない...」

錦戸は苦々しい顔をして吠えた。

大倉「共存したい。その希望は棄てていない...」

大倉は寂しそうな瞳で、訴えるように言った。

渋谷「…………」

渋谷も、苦しみからやっと解放されたのか、
辛そうにしながら立ち上がった。

「もし、貴方たちが血を吸わなかったら、どうなるの?」

私は、ふと疑問に思った言葉が口から出たが、
誰も答えてはくれなかった。

渋谷「とにかく、お前は俺らの獲物や」

渋谷は強い口調で私に言った。

「ぇ....獲物?」

その言葉に私は自分の立場を理解した。

頭に駆けめぐる恐怖を必死で抑え、
その場から逃げ出した。

彼らは、走り出した私を静かに見送った。

横山「さて、本当の狩りは今からや、
胸のアザには気を付けろ、いいな!」

横山の号令で、狩りはスタートした。
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