第3章 幸せだと思えるのは
「綺麗、だったわね、あかりさん。」
「なに?泣いてんの?」
綺麗なパーティドレスに身を包んでいる彼女は、
少し涙ぐんでいた。
「だって、あんなに幸せ溢れる体験はないわよ?」
幸せそうに笑ってたわ。
そう涙を拭きながら笑う。
「そうだな。」
なんだろうなー
マユミは人の幸せだけでこんなに
嬉しそうにできるんだから、
俺たちがこうなるときはきっと…
「よし。
じゃあ、マユミも幸せ溢れる体験、してみない?」
「…え?それって、え?」
少しずつ、理解していってるんだろう、
彼女はまた、涙を流していた。
「俺と、結婚してください。」
そういって、
あの日買った、指輪を見せた。
「ひ、ヒロトっ、私、」
「返事、くれないの?」
「もちろん、する!結婚する!」
大泣きをしながら、
抱きついてきたマユミは
ありがとう、と泣き叫んだ。