第29章 *3度目の告白
「あたし、そろそろ帰らなきゃ」
「…あ、送って行くっスよ」
あたしたちは家に向かって歩き出した。
黄瀬くんは口数が少なくなった。
どうしたんだろ…。
「空っち…あの…」
黄瀬くんが口を開いた。
「…どうしたの?」
すると突然黄瀬くんが止まった。
「なんで赤司っちなんスか…?俺じゃ幸せにできないんスか…?オレ…オレは、まだ…」
あたしは今にも泣きそうな黄瀬くんを見て、胸が苦しくなってきた。
そんな顔しないでよ…。
「オレはまだ…あきらめてないっス。空っちのこと…誰よりも…愛してる」
「え…」
愛してる、なんて…初めて言われるよ…。
「愛してる…愛してる、空っち…!」
あたしは強く抱きしめられた。
そしてあたしは自分からキスをした。
なんでかわかんないけど…
ここまであたしを愛してくれる黄瀬くんが、いとおしかった。
あたしたちは唇を重ねた。
そしてあたしたちは家に帰った。