第23章 赤司征十郎
あたしは悩んだあげく、中学時代いつも相談に乗ってくれていた赤司くんに電話をした。
赤司くんは、キセキの世代のひとりで、帝光中のキャプテン。
今は洛山高校でキャプテンをつとめているらしい。
「もしもし、赤司くん?」
「どうした?空からの電話なんて珍しいな」
「相談に乗ってもらいたくて…時間あるかな…?」
「時間か…今日の夜はどうだ?僕は毎日部活があるからな」
そしてあたしは、赤司くんの家に行くことになった。
「…それで、相談とはなんだ?」
「赤司くんにとってはどうでもいいことだと思うんだけど…他に相談相手がいなくて」
あたしは話始めた。
「あたし…みんなから告白されたの」
赤司くんの顔つきが変わった。
「みんなとは…涼太や大輝たちか?」
あたしは静かにうなずいた。
「あたしはみんな好きだけど、この関係を壊したくない!こんなことで妬みあったりとか…したくないの…!」
すると赤司くんは言った。
「全て断るんだ」
「え…?」
「あいつらとの関係なんてどうでもいい。空は僕だけのものだ」
え…赤司くん…?
「どういうこと?あたし…みんなと仲良しでいたい…!」
「僕の命令は絶対だ」
「そ、そんな…」
「空はこの僕じゃ不満なのか?」
不満なんかない。
むしろ、赤司くんみたいな人が彼氏だったら、誇りでしかない。
「ううん…」
「じゃあ、僕と付き合うんだ。いいね?」
赤司くんになんて逆らえない。
「…」
「返事が聞こえないよ?」
「…はい」
あたしは、赤司くんと付き合うことになった。