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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第4章 夢かうつつか?


「なぜそう言えるんです?」

「私の知ってる内容、つまり物語に、そんなおかしな事件は含まれていません」

「これから書かれる内容なのでは?」

「……ジャンル的にありえなさそうです。“ToLoveる”が急に“NARUTO”みたいなガチバトル漫画になったらおかしいですよね?」

「なるほどそれは納得」

即答され、私は思わず苦笑してしまった。

しかし、真剣な顔に戻って続ける。

「推測ですが、言うなれば別世界、別次元の平行世界から来たかんじ……でしょうか」

「パラレルワールドみたいなものですか?」

「はい」

菊は理解しがたいと言うように首を捻った。

そりゃそうだ。言ってる本人が信じられないんだもの。

「まぁ……最近おかしなことばかりですから。別世界からの訪問者が現れても、おかしくないのかもしれません」

ほとほと困り切った表情で、そう笑った。

言葉の羅列がおかしかったが、その目元にうっすら浮かぶクマを見て笑えなかった。

彼の家に亜細亜組が集まっていたのも、その問題解決のためなのだろう。

――なにか、

「私にできることはありませんか?」

無意識に言葉がでていた。

思いつきのように転がりでたそれは、すぐに脳を駆け回り始める。

「私には高度な知識も処理能力もありません。でも、菊さんの本業をわずらわせる雑用ならできます。それに――」

声を挟ませずに、私は続けた。

「私が元の世界に帰るのに、関係あるかもしれません」

――“私”というイレギュラー要素は、おかしくなっている世界に関わらない方がいいのでは?
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