第34章 昏睡による覚醒より
目が覚めたのは、一日と半日が過ぎた頃だった。
ロヴィーノの姿はすでになく、起きた親分に即病院へ連行されたらしい。
フェリちゃんもそれについて行ったようだ。
できればついて行きたかったが……
ていうか寝過ぎ。起こしてくれればいいものを。
「ずいぶんとお疲れのようでしたので」
菊はそう言いながら、緑茶を出してくれた。
頭はだいぶすっきりしていた。
だから――
“計四日半こちらにいる”
という事実に気づき、お茶を噴き出しかける。
「だっ大丈夫ですか!?」
「すみません……」
四日半て最長記録じゃないだろうか!?
帰ったら四日間行方不明扱いされていた、なんて悪夢になっていないように願いつつ、
「いくつかご報告があります」
そう切り出した菊の言葉に耳を傾けた。
「物体の移動についてですが、“物”限定のようなんです」
生物は移動の対象にならない?
「はい。私たちのように、自ら“移動”するようなまねをしなければ、ですが」
菊の話によると――