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【ヘタリア】周波数0325【APH】

第32章 回帰と代入と


道幅は人二人がやっと通れるくらいだった。

天井には蛍光灯がついているようだが、光りもせず、置物のように沈黙している。

なんとなく、デジャヴじみたものがよぎった。

――ルートに落とされ、ギルに連れられた地下が。

「階段だ! つかこっちであってんのか?」

「あってます! この方向なら戻る場所に行けます!」

ロヴィーノは私の発言に疑問を持ったようだが、黙って信じてくれたらしい。

階段を駆け上がる音と、荒い息遣いのみが響く。

この施設の場所もわからないのに、なぜ、戻る場所、すなわちゴーストタウンにテレポートしてきた地点がわかるのか。

肯定の返事をした自分でも、よくわからなかった。

どこぞのマジカル眉毛紳士のように、“感じるから”としか言い得ない。

磁石のように引きつけられるままに、私の足は動いていた。

――ドンッ!

油断していたタイミングで、また爆発音が轟く。

「さっきより近くねーか!?」

「大丈夫です、こっちであってますから!」

ビビリながらも、必死で階段を駆けるロヴィーノ。

フェリちゃんと一緒に爆走したことを思い出す。

あれはメリカから逃げるためだから、今よりはだいぶマシな状況ではあるが(多分)。

やはり兄弟なのか、(逃げ)足が速く、着いていくのがやっとだ。

衝撃でパラパラおちてくる埃を手で払っていると、次第におぼろげな光が見えてきた。
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