第2章 全ての始まり
ジャーファルさんは数秒間私を見下ろした後、膝まづき、私と目線を合わせた。
『私が怖いですか』
無表情で、ジャーファルさんは私に問いかけた。
リョウ「何で、こんなこと...」
ジャ「ずっと欲しかったんです」
不意にガシッと両手首を掴まれ、ビクッとした。
ジャ「貴女と過ごすうちに...私は、貴女を.......
貴女を、愛してしまいました」
ジャーファルさんはひどく切なく、恍惚とした表情で言った。
手首を掴んでいた手が、いつのまにか恋人繋ぎに変わっている。
そのまま手を壁に押し付け、耳元に顔を近づけ、囁いた。
ジャ「だから、全部貰っちゃっていいですよね______?」
背筋がゾクッとした。
その瞬間彼はニヤリと厭らしく笑い、噛み付くように強引に己の唇を押し付けた。
リョウ「んんっ...!!!」
無理やり舌が捩じ込まれ、口内を這いつくばり、犯す。
気持ち悪い。抵抗も効かず、涙がボロボロと溢れた。
キスが続くなか、ジャーファルさんは私のシャツのボタンをプチプチとはずし始めた。
唇が解放されると、ジャーファルさんは首筋に顔を埋め、熱い舌で舐めた。
リョウ「っひ...!や、っ.....」
首筋から胸元にいくつものキスを落とし、満足したのか服を元に戻した。
ジャ「今はこれくらいにしておきます。いきなり最後までやっても、つまらないですし...ね?これからじっくりと愛してあげますよ。」
怪しく微笑んだ後、私の額に軽くキスを落とし、彼は立ち上がった。
ジャ「生憎まだ仕事が残っているので.....ここでいい子で待ってるんですよ?
『貴女はもう、逃げることなんて出来ない』のですから。」
そう言い残し、ジャーファルさんは出ていった。もちろん鍵が閉まる音もした。
私は呆然としたまま、その閉まったドアを見つめることしかできなかった。