第4章 寂しがり屋のウサコちゃん
「あの、私が作っておきました!」
「そうでしたか!…すみません」
「…おい栞てめぇ、なんで俺の後ろに隠れるんだ!!」
そう。私、龍一さんと一緒になる前にサッと雷牙くんの後ろに隠れたの
「…このままで居させてください」
「アァ?…龍一、お前なんかしたか?」
「いえ…僕は何、も」
歯切れの悪くなる龍一さん。きっと思い出したのでしょう
「別に、気にしてませんから。気にしてませんから!」
「!そ、そうですか…本当にすみません」
何が何だか分からない雷牙くんを置いて、私と龍一さんは歩き始める
「んー…(な、何だったんだ?あの2人)」
ほら、やっぱりわかってない
「あ、龍一さん!今日のお味噌汁はシジミが入ってますよ、二日酔いでしょう?薬が効かなかったら、と思って一応作っておきました」
「ああ、すみません。少し頭痛がしますが…薬のお陰で和らいでいます」
よかった、ちゃんと飲んでくれていたみたいだ
そんな話をしていると、もう既に起きていたらしい未来ちゃんが襖を開けた
「栞おはよう!」
「おはよう、未来ちゃん」
君の笑顔が眩しいよ。それからね、一応後ろに2人居るから、挨拶くらいみんなに「おい未来、俺もいるの忘れてねえか?」
「ああ、いたんだ、雷牙」
「てっめえ!」
あーうるさいのがはじまる。未来ちゃんは初めこんな感じじゃなかったんだけと、なんか最近本性が現れてきたっていうか…まあずっと隠されるよりはましだけど
「龍一さん、2人は放って…」
あ、もうちゃっかり座ってた。
「3人ともうるさいですよ、早く席に着きなさい」
なんで私まで!?
「シオちゃん、今日は町に買い物に行くからお洒落しましょうね!片付け終わったら私の部屋に来てちょうだい」
「分かった!」
「じゃあ土産頼むわ、あの店のアレな」
いや分かんないし、買わないし
「ん、食べ終わったみたいね、じゃあ行きましょう!片付けは男どもに任せて」
ハートがつく勢いで言ったけど、さすがに任せるのは…せめて頼まないと!
「栞さん」
「は、はい!すみません、片付けはやりますので!」
「楽しんできなさい」
「はい!」
ここに来て一番の返事をしたかもしれない